スポーツを守る

ボクシングの試合を観て思ったこと。

亀田選手の世界タイトル戦は、判定の結果について専門家や観客の意見が分かれ、数万人の抗議の電話やメールが、テレビ局や新聞社に寄せられたと聞きました。

元世界チャンピオンの専門家が、冷静に見れば、亀田の判定勝ちは間違いないと、ウェブで書いていました。亀田が効果的なパンチを多く当てており、それはプロのジャッジでないと正しく判定できないものだというのです。

正論に聞こえますが、プロスポーツに必須のはずの、観客をないがしろにした意見だと思いました。お客あってのプロなのだから、お客に納得してもらえる工夫をしないと、お客が減って試合が成り立たなくなったり、もともと少ないアマの競技人口がますます減ったりして、日本のボクシング全体にとって良くないことになると思います。

昨年のサッカー欧州チャンピオンズリーグで、判定に不満な観客が発炎筒を試合場に投げ入れ続け、試合が中途終了になったことがありました。そのとき、解説者が、「これはいけない。スポーツはみんなで守らなければいけないものなのに。」と憂えていたことを思い出しました。

今回のボクシングの試合結果について、観客の当惑を「素人にはわからん」で片付ける専門家や、ウェブで感情的な意見を垂れ流す素人や、議論をあおるだけの新聞やテレビは、どれもボクシングをスポーツとして守ろうとしていません。

80年代に、3階級制覇者同士(レナード対ハーンズ)という、大試合がありました。しかもこの試合が第3戦で、前の2回はいずれもレナードが逆転KO勝ちするという因縁つき。3回目の結果は白熱のドロー判定で、観客の意見は大いに割れましたが、試合をした2人が、後日のテレビ番組で、全部のラウンドを試合のビデオとともに解説してくれたことが印象的でした。

観客の注目度だけでいえば、この試合に負けないくらい、亀田の試合も大試合だったのですから、レナードやハーンズと同じように、観客が納得できるような工夫を、亀田に進んでしてもらいたいです。

亀田が勝つことだけを考え、自分が目立つ行動しかとれないようであれば、彼はスターでもカリスマでもありません。今のままでは、私はおおみそかに、ボクシングではなくプライドを観ていることでしょう。(ボクシングは後で録画を観るでしょうが)
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by sunaogoto | 2006-08-05 00:50